今回の independence-D は、野外に1つ、屋内に2つという、
合計3ステージ体制で行なわれた。
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そのため会場に着いてすぐに目に飛び込んでくるのは、
CLOVER STAGE という野外ステージだ。
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イヴェントの開演と同時に、その CLOVER STAGE に立ったのは 0 Limited Execution 。ヘヴィネスなサウンドを基盤として、
女性ヴォーカルが悲しみを帯びた声で歌い上げていくスタイルは、
エヴァネッセンスあたりに通じる。
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目を閉じてファルセットを歌う姿も印象的。
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幻想的な広がりを持つバラードでは、
女性ヴォーカルがエレクトリック・ヴァイオリンをプレイするなど、
サウンド的にも見たも新たなアプローチを垣間見せた。
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ここから夕方までは、あちこち行ったり来たりの臨戦態勢がスタート。
屋内へ入ると、 HEART STAGE では ROBIN のライヴが始まるところだった。
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クモの巣フィニッシュのギターから激しいリフがかき鳴らされ、
ファイヤー・パターンを施したウッド・ベースからはアタッキーな音が弾け飛ぶ。
暴力的とも言えるロックン・ロールで、ファンを熱狂させていった。
転換のわずかな時間に再び CLOVER STAGE へ行ってみると、
BREAK YOUR FIST のライヴ真っ最中だった。
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デス・ヴォイスも圧倒的なメタルなのだが、
時に笑顔もこぼしながらステージそのものをメンバーは楽しんでいる。
聞けば、詞にはポジティヴなメッセージも込めているという。
急いで屋内に戻ると、 SPADE STAGE では Guineryus のライヴが始まっていた。
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ジーンズに T シャツのラフな格好だが、バンド・サウンドとプレイはタイトで正確。
Syu は扇情的なメロディや速弾きをこれでもかと決めまくり、その実力を発揮。
続いて HEART STAGE の ROACH へとステージは引き継がれる。
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彼らは沖縄のバンドで、去年から全国的な活動も始めたばかり。
絞り出すようなデス・ヴォーカルを放ったかと思えば、
コブシを回しながら独特のメロウさも響かせる。
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そんなスタイルからは、ラウド系も多い沖縄のシーンや
風土に育まれたバンドであることも感じた。
今度は SPADE STAGE で 12012 のライヴがスタート。
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ラウド系の攻めと切ないメロディを交互に繰り返すアプローチや
激しいパフォーマンスは、 Dir en grey の影響を感じさせた。
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まだステージの途中だが、 HEAD PHONES PRESIDENT のライヴのため外へ移動。
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太くうねるヘヴィネスを音の核にしているバンドだが、
何といっても印象的なのは女性ヴォーカル、ANZA 。
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呪文のような言葉を、時にすすり泣きながら、
時にヒステリックに叫びながら口にする。
声を震わせ、目が飛んだ姿は、気が触れてしまったようにも映る。
こっちは呪縛されるばかり。
表現への欲求に飢えた彼女の凄みを感じた。
そして女性ヴォーカルと言えば、JURASSIC JADE を見逃すわけにはいかない。 HIZUMI はヴィジュアル系ファンに向かって
「お姉さんは元祖ヴィジュアル」と優しく説きながらも、
曲に入れば、姉御と呼びたくなるほどの存在感。
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音も、スラッシュ然とした初期とは違い、
今はアヴァンギャルドな要素も飲み込み、さらに刺激的なスタイルに進化していた。
煽りながらノリの良さで疾走するギルガメッシュ、
ふんどしダンサーも登場させてサイコビリー祭りを展開したBATTLE OF NINJAMANZ 、
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血だらけのゾンビ姿でロカビリーするのがユニークなCRACKS 、
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トライバルなうねりとタイトなメタリックさの融合のSURVIVE 、
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二胡やキーボードも導入したシンフォニック・ブラック・メタルを轟かせた ChthoniC など
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を次々と周り、夕方から屋内へ腰を落ち着けることに。
SPADE STAGE で始まったのは BALZAC 。
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ホラー・イメージのバンドだが、一体感あるコーラスやポップさも持つ。
それを勢い良く飛ばしていくことで、今回も高揚感ある独特のライヴへと昇華させた。
畳み掛けるハードコアの FC FIVE の後には、
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ゲストの1つ、
Plastic Tree が登場。
ヴォーカルの竜太朗は赤い着物を着崩して、
前かがみや回りながら歌う。その姿は、いかれた花魁だ。
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曲はヘヴィものからメロウな歌ものまで幅広く、
厚みある音からは結成 10 年の説得力も感じさせた。
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激しいライヴ・パフォーマンスで驚かせた I KILLED THE FROM QUEEN 、
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重厚かつ挑発的なラウドさの BLEEDING TROUGH 、
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ヴォーカリストが客席に何度も飛び込み爆走のロックン・ロールを貫いた
STUPID BABIES GO MAD と続き、
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ラストは MERRY 。
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ヴォーカルのガラは、煽り文句を習字して客席に見せたり、
照明トラスに自ら足を引っかけて逆さ吊りで歌ったりと、
相変わらず奇想天外なパフォームを発揮。
レトロ感と悲しみの漂う曲を会場に響き渡らせ、
ファンの気持ちを掴んでいった。
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結果、アンコールも起こるほどの盛り上がりを見せた。
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