2023年8月4日に音楽業界総合情報サイト「Musicman」にインタビュー取材記事が掲載されたことに関して、会員だけでなく、多くの権利者、業界関係者から大きな反響をいただいたことを受け、この記事について補足説明をすべく、この度特設ページを設けることといたしました。

理事長挨拶

私がインタビューで繰り返しお伝えしたことを、この場で改めてお伝えさせていただきたいと思います。この分配問題を語る際、私たち音制連の考えに反対する立場からは、「メインアーティスト(FA)がサポートミュージシャン(NFA)のパイを奪おうとしている」といった主張がなされることがあります。しかし、それは音制連の主張を不当に捻じ曲げる印象操作であると言うほかありません。この問題は「メインアーティスト(FA)とサポートミュージシャン(NFA)の対立」の話では決してありません。

野村達矢

音制連は、いわゆる音楽プロダクションによって構成される団体ですが、メインアーティスト(FA)だけが権利を委任しているわけではなく、多くのサポートミュージシャン(NFA)もその権利を音制連に委任しています。また、サポートミュージシャン(NFA)の方々は、メインアーティスト(FA)の創作活動において大切なパートナーであることは言うまでもありません。

今回インタビュー取材を受けるきっかけになったのは、長らくブラックボックス化している「みなし分配」の実態を解明するため、その「みなし分配」に使用したP-LOG(日報)データや提供元となるコーディネーター(インペグ屋)名の詳細情報、さらには金額算出の根拠に関する情報開示について、CPRA(日本芸能実演家団体協議会 実演家著作隣接権センター)において私が参加する権利者団体会議、また音制連執行部が参加する運営委員会ならびに音楽関連分配委員会などで再三にわたり要請をしてきたものの、MPN(一般社団法人MPN 理事長 椎名和夫氏)がそれに応じることがなかったことにはじまります。

インタビューにもありましたとおり、私は音制連理事会の決議を権利者団体会議に反映できなかったことに責任を感じ辞表を提出いたしました(2023年2月27日)。
理事会では遺留されましたが進退を伺う意味でも、音制連の会員社の皆さんにこのCPRAの分配の問題点を広く知っていただくためにも会員社公開の緊急説明会(2023年4月10日)を開催しました。多くの会員社の方々にご出席いただきこの案件の経緯と内容を共有しご理解いただきました。そして音制連の本来の主張を継続すべきという沢山の会員社の声とともに辞表は破棄されました。この案件に関しての問題提起はMPNが指摘している個人的視点の不満を一方的に述べたなどという稚拙なことでは到底ありません。隣接権の権利に関して見識を広めていただきつつ、密室ではなく公開であからさまに、音制連理事会および会員社の皆さんの総意として進めさせていただいています。

現在もこの「みなし分配」は継続しており、放送使用実態からすればもっと多額の分配を受けられるはずのサポートミュージシャン(NFA)に対して十分な分配がなされない一方で、放送使用実態とかけ離れた特定のサポートミュージシャン(NFA)に対し、不相当に高額な分配がなされ続けてきたという実態があり、本来分配を受けるべきサポートミュージシャン(NFA)の取分が長年にわたり現実に減っていたと考えられます。

そして、その「みなし分配」を行うためにMPNが収集したデータはどこの誰が提出したのか、またどのような内部処理を行って分配にいたるのかがほとんど明かされていません。私たちが、分配には必要がないデータの開示まで求めているとの指摘もありますが、そもそもそのデータの適正性を判断するためには、直接に分配に必要なデータだけを確認すればよいというわけではないということは言うまでもありません。そもそも、業務を委託しているCPRAすらその内容の詳細を知り得ないデータに基づいた分配がされているということ、MPNという団体以外がその中身を知ることができずに巨額な使用料を分配し続けてきたという事実は、文化庁指定団体であるCPRAが本来果たすべき役割を十分果たしていないのではないかとも考えざるを得ません。

MPNが、CPRAの運営団体である音制連に対してそこまで開示を拒否するデータとは一体どのようなものであるのか、分配において適正な処理が行われているのかについて、強い疑念を持たざるを得ません。疑念があるものを正そうとせずに看過したままではどう考えても公平な分配が行われないことに繋がります。偏った特定の団体だけが知り得るものとしてCPRA参加の他団体に隠匿されたままで分配が実行されることはどう考えてもおかしなことです。

私たち音制連はCPRAを運営するひとつの団体として、この「みなし分配」について全てのメインアーティスト(FA)やサポートミュージシャン(NFA)に対する説明責任があると考えています。

そして、これ以上の不透明な「みなし分配」を容認することはできないと考え、より多くの関係者、特に当事者であるサポートミュージシャン(NFA)の方々にこの問題を知っていただき、改善にむけたご理解とご協力が得られればと願い、今回インタビュー取材を受けることとしました。

私たちが提案する新たな分配方法についてもさまざまな意見があることも承知しています。しかし、分配方法という全てのメインアーティスト(FA)・サポートミュージシャン(NFA)にとって重要なテーマについては密室で議論を行うのではなく、あらゆるデータや議事をオープンにした上で、広く議論がなされるべきであるというのが私たち音制連の考えであり、その点について私たちは強い確信を持っております。

是非、インタビュー取材記事ならびにこの特設ページをご覧いただき、皆さまにおかれましてもご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

2023年9月15日
理事長 野村達矢

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Q&A

この問題は、世の中に出ている情報が限られているために、音制連の主張を正しくご理解いただくのは簡単ではありません。また、音制連の主張に対しては、MPNから反論や批判が提示されており、それを読まれたサポートミュージシャン(NFA)の方々は、音制連の主張がサポートミュージシャン(NFA)の権利を奪おうとするもので、たいへん乱暴なものであるという印象を抱かれたかもしれません。

しかし、多くの反論は、音制連の主張を捻じ曲げたり曲解するものであり、不必要にメインアーティスト(FA)とサポートミュージシャン(NFA)の対立を煽るものであると考えています。

音制連にとって、サポートミュージシャン(NFA)の方々は、メインアーティスト(FA)の創作活動において大切なパートナーです。音制連が問題視しているのは、「不透明なみなしデータ」によって「不透明なみなし分配」が行われ、メインアーティスト(FA)と共に活動をするサポートミュージシャン(NFA)に対して適切な分配がなされていないことです。

一部で音制連の主張が捻じ曲げられて伝えられていることを明確にするとともに、音制連の主張がサポートミュージシャン(NFA)の権利を奪おうとするものではなく、全てのメインアーティスト(FA)、サポートミュージシャン(NFA)の間での公平な分配を目指すものであることをご理解いただくために、主要な反論について以下の通りQ&Aを設けました。

(2023年9月15日時点)

【「重複分配」について】

※「重複分配」とは、バンドなど複数人で構成されるメインアーティスト(FA)の場合、バンドメンバーがメインアーティスト(FA)分の資金から分配を受けたうえで、サポートミュージシャン(NFA)分の資金からも重複して分配を受けることをいいます。

音制連は、サポートミュージシャン(NFA)の分配方法を見直すのであれば、「重複分配」を導入せよという主張をしたのでしょうか?また、その問題が解決するまではいかなる変更も認めないと音制連が主張したことは事実でしょうか。

「重複分配が認められなければいかなる変更も認めない」などと主張した事実はありません。

音制連が、2018年10月26日の第2回CPRA音楽関連分配委員会(以下、分配委員会)において、提案書を提出し、「従来の貸レコード使用料の場合、バンドメンバーはサポートミュージシャン(NFA)分配対象に含まれる一方で、二次使用料の場合はサポートミュージシャン(NFA)分配対象から除外されており、使用料ごとにルールが異なる」という問題を提起し、2018年12月11日の第3回分配委員会においても、音制連は「今回の見直しを機に二次使用料のサポートミュージシャン(NFA)分配においても貸レコード使用料のサポートミュージシャン(NFA)分配と同様にメインアーティスト(FA)グループの演奏者もサポートミュージシャン(NFA)分配対象とするべきとの意見」を述べたことは事実です。 ただ、「その問題が解決するまではいかなる変更も認めないと音制連が主張した」という事実は一切ありません。

音制連は、あくまで分配の精緻化の一環としてそのような主張をした経緯があり、「シームレスな分配(メインアーティスト(FA)とサポートミュージシャン(NFA)の資金分けを撤廃し、楽曲参加のメインアーティスト(FA)とサポートミュージシャン(NFA)が決められたルールによって分配すること)を実現するには時間がかかる。今回の見直しはその途中経過ではあるが、実際に演奏している実演家にサポートミュージシャン(NFA)分を分配することも精緻化の一端と考えている。」と述べたに過ぎず、いわゆる重複分配が認められなければいかなる変更も認めないなどと主張した事実はありません。
実際に、音制連が2019年12月に、イギリスの隣接権団体であるPPL(Phonographic Performance Limited)が採用する方式の導入を目指すべきであるとの提案をして以後、音制連が「重複分配」を導入せよという主張を行った事実はありません。

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音制連は、結局のところ、自分たちメインアーティスト(FA)の取分を増やそうとして重複分配の主張をしたのではないでしょうか。

メインアーティスト(FA)の取り分を増やそうとして重複分配の主張をしたという事実はなく、MPNはメインアーティスト(FA)とサポートミュージシャン(NFA)の対立をいたずらに煽って本質的な問題から目を逸らさせようとするものと言うほかありません。

音制連が重複分配の主張を行った経緯等についてはQ1で説明したとおりです。

音制連が「重複分配」の導入を要求したという指摘を見た方は、確かにそのような印象を持たれるかもしれません。しかし、音制連が重複分配の導入に固執したという事実はありません。あたかも音制連がそのような態度を取ったかのような指摘こそが、本件が「メインアーティスト(FA)とサポートミュージシャン(NFA)のパイの取り合いの問題である。」という誤った印象を与えることにより、メインアーティスト(FA)とサポートミュージシャン(NFA)の対立をいたずらに煽り、本質的な問題から目を逸らさせようとするものと言うほかありません。

音制連は一貫して、現在CPRAの分配ルールで採用されている「資金分け」、すなわち、使用料全体をあらかじめメインアーティスト(FA)分配資金とサポートミュージシャン(NFA)分配資金に分けて別々のデータで別々に分配する方法をやめて、使用された楽曲毎に分配金額を算出して楽曲の参加者が適正な分配を受けられるようにすることを提案してきました。

「資金分け」の問題点は、最初にメインアーティスト(FA)とサポートミュージシャン(NFA)の取分を決めてしまうことから、仮にサポートミュージシャン(NFA)を一切起用せずに制作した楽曲であっても、その楽曲の使用料の100%をメインアーティスト(FA)が受領することはできません(つまり、資金分けされたメインアーティスト(FA)分からのみ分配され、サポートミュージシャン(NFA)からの手当ては一切ありません。)。
さらに、サポートミュージシャン(NFA)分の一部は「みなし分配」として、実際には放送で使用されていない曲に対して分配がされたり、放送された原盤に実演が残っていないサポートミュージシャン(NFA)が分配を受けてしまうという問題があります。

このような問題を解消するため、音制連は「資金分け」による分配の撤廃を一貫して求めています。

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2017年頃から、商業用レコード二次使用料のサポートミュージシャン(NFA)分配の見直しの議論がCPRAで開始され、これまで実現できていなかった放送使用実態に基づく分配を実現するために、実際に放送で使用された楽曲のうち、どのくらいの割合で参加演奏家を判明させられるかの検証が行われていたにもかかわらず、音制連が重複分配の提案をしたことにより、議論は中断せざるを得なくなったというのは事実でしょうか?

事実ではありません。

Q1で述べたとおり、音制連が「重複分配」の導入を要求したという事実はありません。

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2017年頃から、CPRAで始まった商業用レコード二次使用料のサポートミュージシャン(NFA)分配の見直しの議論において、これまでに蓄積された演奏参加データ(貸レコードデータ、P-LOG(日報)データ)を使用することにより、全体で約43%(金額ベース)を占める楽曲については、放送使用楽曲に基づく分配が行える見通しが明らかになったというのは事実でしょうか?

全体で約43%(金額ベース)を占める楽曲については、放送使用楽曲に基づく分配が行える見通しが明らかになったとMPNが主張しているのは事実ですが、その主張の妥当性については判断できないと言わざるを得ません。

この「43%」という数字は、P-LOG(日報)データが、レコード制作管理表と同等に放送使用楽曲との照合に利用できるという前提条件のもとにMPNが主張しているものに過ぎません。 Q5Q6の回答でも説明していますが、そもそも、P-LOG(日報)データは、あくまでレコーディングに参加した時点での情報であり、ミックスダウンなどの編集を経ていない段階の情報に過ぎませんので、そのレコーディングにおける実演が最終的に原盤に残っているのかについての確認がなされたものではありません。また、P-LOG(日報)データについては第三者証明が不要な自己申告に基づくデータであり、その真正性に一定の疑問符が付くことを否定できません。

このように、P-LOG(日報)データには問題が残されているにもかかわらず、それを無視して、何の留保もなく「全体で約43%(金額ベース)を占める楽曲については、放送使用楽曲に基づく分配が行える見通しが明らかになった」と説明することは、ミスリーディングであると言わざるを得ません。

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【PPL方式について】
MPNが取り組んできたP-LOG(日報)データと同様の自己申告等によるデータ収集方式が世界標準ではないのでしょうか?

収集方式の一面を捉えたに過ぎない意見であり、以下の理由からP-LOG(日報)データの収集方式は世界標準であるとは言い難いと思われます。

イギリスのPPLやオランダのSENA(Stichting ter Exploitatie van Naburige Rechten)は正確な分配を行う実演家の権利管理団体として世界的に知られていますが、サポートミュージシャン(NFA)による自己申告の際はレコード製作者の承認や名前の記載があるジャケット等の公開情報を必ず提出する必要があります。正確な分配のためには、自己申告だけでは足りず、第三者の証明が必要になるというのは当然のことではないでしょうか。

一方、P-LOG(日報)データの自己申告ではそのような第三者証明を求めていません。このような重大な点を無視して、PPLやSENAのようにデータの真正性が高いと言うことはできません。
さらにMPNは「豊富な知見のあるMPNスタッフが確認しているためP-LOG(日報)データは高い真正性がある」、「虚偽があれば返金を求める規約でカバーできる」として、あたかも第三者証明は不要であると主張しているかのようにも映ります。
音制連は、サポートミュージシャン(NFA)のために、データ収集の補完的位置づけとして自己申告制度の導入も提案していますが、文化庁指定団体が扱う業務という観点からも安易な自己申告のみによる分配を行うべきではなく、虚偽報告などを防ぐ手段として第三者証明は必須とするべき、とも主張しています。

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MPNが収集してきたP-LOG(日報)データは、実際にレコーディングに参加した人しか知りえないスタジオ名など細密な付帯情報の入力の必須化や、支払案内書による本人照合、市販CDのメタデータとP-LOG(日報)データの連携などを行っているため、正確性が担保されているのではないでしょうか?

一定の正確性に寄与することは否定しませんが、「スタジオ名の入力必須化」や「支払案内書による本人照合」は、あくまで本人由来による証明でしかありません。

イギリスのPPLやオランダのSENAは「レコード製作者の承認や名前の記載があるジャケット等の公開情報」といった第三者情報によりその正確性を担保しており、エビデンスのレベルに大きな差があることは明確です。

加えて、「市販CDのメタデータとP-LOG(日報)データの連携」は、MPNの職員が1件1件照合しているにすぎません。原盤権者でもレコード製作者でもないMPNの職員によって市販のCD情報が後から肉付けされた自己申告データと、第三者によって参加が証明された自己申告データでは、情報の質に大きな差があることは明確です。

音制連は、サポートミュージシャン(NFA)のために、データ収集の補完的位置づけとして自己申告制度の導入も提案していますが、文化庁指定団体が扱う業務という観点からも安易な自己申告のみによる分配を行うべきではなく、虚偽報告などを防ぐ手段として第三者証明は必須とするべき、とも主張しています。

なお、P-LOG(日報)データをきちんと提出されているサポートミュージシャン(NFA)の方にとっては、「自分達が嘘をついていると言われているようだ」とお感じになるかもしれません。当然、音制連としては、そのようなサポートミュージシャン(NFA)が多数いるなどと主張しているわけではありません。
この点については、Q17の回答にて説明していますので、ご参照ください。

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音制連が主張する「PPL方式」は、サポートミュージシャン(NFA)分として確保された資金からFAに分配金を還流させることを目的とする主張なのでしょうか。

繰り返し主張しているとおり、音制連が主張しているのは、「資金分け」「みなし分配」をやめ、可能な限り正確なデータに基づく分配を行うべきであるというものであって、サポートミュージシャン(NFA)分として確保された資金からメインアーティスト(FA)に分配金を還流させることを目的とするものではありません。

また、メインアーティスト(FA)とサポートミュージシャン(NFA)が対立すべき問題ではないことも繰り返し主張しています。

仮に音制連の主張するPPL方式を導入した結果、サポートミュージシャン(NFA)全体の分配額総額が現在の分配方式に比べて減ったとして、それがサポートミュージシャン(NFA)間の不公平な分配を正当化する理由になるのでしょうか。

音制連としては、分配方式の変更により、サポートミュージシャン(NFA)の取分が極端に少なくなったり、事業の継続が困難になるような場合には、「資金分け」「みなし分配」といった不透明な分配方法によりそれを救済するのではなく、全メインアーティスト(FA)、サポートミュージシャン(NFA)の合意のもと、困窮するサポートミュージシャン(NFA)を救済するための基金のようなもので救済を図るという方法で検討すべきであると考えています。

サポートミュージシャン(NFA)全体の分配額を減らさないことが、ある特定のサポートミュージシャン(NFA)に不利益を強いることを正当化するのでしょうか。「みなし分配」により不利益を被っているサポートミュージシャン(NFA)は、自身がサポートミュージシャン(NFA)全体の分配額総額を維持するために犠牲となっていることに納得しているのでしょうか。そういった情報はこれまでサポートミュージシャン(NFA)の耳に届いていたのでしょうか。

音制連は、「サポートミュージシャン(NFA)分として確保された資金」というものがあり、それが保護され続けるものであるという主張自体が、まさにその資金が既得権益になっていることを裏付けているものと考えています。

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PPL方式は、サポートミュージシャン(NFA)が判明しなかった楽曲の分配資金をメインアーティスト(FA)に分配する仕組みになっていると聞きました。あまりにメインアーティスト(FA)に有利すぎるのではないでしょうか。

「PPL方式は、サポートミュージシャン(NFA)が判明しなかった楽曲の分配資金をメインアーティスト(FA)に分配する仕組み」というのは不正確な情報であり、印象操作であると言えます。

正確には、「6年間のクレーム申請期間を経ても、その他の参加サポートミュージシャン(NFA)からの申請がない場合、その時点で判明しているメインアーティスト(FA)とサポートミュージシャン(NFA)に対して、定められたルールに基づいて分配がなされる。」というのがPPL方式のルールです。

「サポートミュージシャン(NFA)が判明しなかった楽曲の分配資金をメインアーティスト(FA)に分配する仕組み」というのは、メインアーティスト(FA)以外の参加サポートミュージシャン(NFA)全てが不明である場合に限ったケースを持ち出しているに過ぎず、PPL方式があたかもサポートミュージシャン(NFA)にとって不利益な方式であるかの印象操作であると言えます。

音制連にとって、サポートミュージシャン(NFA)の方々は、メインアーティスト(FA)の創作活動において大切なパートナーです。音制連が問題視しているのは、「不透明なみなしデータ」によって「不透明なみなし分配」が行われ、メインアーティスト(FA)と共に活動をするサポートミュージシャン(NFA)に対して適切な分配がなされていないことです。
PPL方式は、楽曲に参加するメインアーティスト(FA)とサポートミュージシャン(NFA)双方がその楽曲使用によって発生する対価をルールに則って公平に受領できる仕組みであるというのが音制連の考えです。

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PPL方式を導入するPPLは、レコード製作者団体と実演家団体が一体となった組織であり、レコードメーカーに実演情報の提出を義務付けている規定があるなど、日本の状況とは大きく異なり、日本で採用することはできないのではないでしょうか。

PPLがレコード製作者団体と実演家団体が一体となった組織であること、レコードメーカーに実演情報の提出を義務付けている規定があることは事実です。

しかし、「CPRAは、世界的に類を見ない、実演家と事業者によって構成される著作権法に基づく実演家の権利処理の集中管理団体」(CPRA20年史編集プロジェクト編著「CPRA20年史~実演家著作隣接権センターの歩み」日本芸能実演家団体協議会実演家著作隣接権センター、2016、p.3)であることもまた事実です。
ここでいう「事業者」とは、音制連をはじめとして、音事協、PREのような音楽・芸能プロダクションが権利者の代表としてCPRAを構成していることを指しています。また、「事業者」にはメインアーティスト(FA)やサポートミュージシャン(NFA)が所属するとともに、リリース楽曲の原盤制作者の側面をもつ場合が多くあります。

また、レコードメーカーに実演情報の提出を義務付けているPPLと同様に、1980年代後半には、音制連は貸レコード使用料分配精緻化のため、会員社の協力のもと「レコード制作管理表」収集業務をスタートさせ、1997年頃には音事協と共同で「AMOデータベース」を開始、その後MPNもこの業務に参画しています。

このような側面から、音制連は、データ収集においてPPLの組織背景と日本のCPRAは親和性が高いと評価しています。

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【CPRAにおける議論について】
2018年10月に、MPNから放送使用楽曲の照合を前提とする方式に変更すべきとの提案がなされたというのは事実でしょうか?

MPNから具体的な提案がなされたとの認識はありません。

音制連は、2018年10月26日の第2回分配委員会(委員長:MPN椎名和夫理事長)において、「二次使用料等の分配精緻化に向けた検討 ~使用実績にもとづく分配を実現するために~ ~より多くの権利者へ分配するために~」と題する提案書を提出しましたが、その際にMPNからは具体的な提案はありませんでした。
2018年10月に行われた分配委員会はこの回のみであり、MPNがそのような主張をいかなる場所で行ったのか不明ですが、少なくとも音制連が公式と考える場で、その時期にMPNからそのような主張がなされたとの認識はありません。

なお、2018年10月の約1年前に開催された2017年11月27日の第5回分配委員会(委員長:MPN椎名和夫理事長)において、音制連は長らく改善の糸口がつかめない状況を打開すべく、2016年に音制連がCDジャーナル社と共同で行ったCDクレジットデータ調査の報告を行ない、CPRAとしてレコーディング参加情報の収集方法の効率化を目指した調査・研究を取り組むことについて提案を行い、他団体の賛同を得ていました。

2018年10月に提出した提案書もこの流れを汲むものであり、あたかもMPNが最初に放送二次使用料の分配に関する改善を提案したとの主張は、音制連の認識と異なるものです。

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音制連は、「分配精緻化検討ワーキンググループ」においてMPNから提出された譲歩案を検討しようとしたワーキンググループの座長に対して、「MPNに不当に肩入れする進行である」と反発して、会議への出席を拒否したというのは事実でしょうか。

音制連がワーキンググループでの議論の一時中断を申入れ、ワーキンググループの会議への出席を拒否したのは事実ですが、重要なポイントが欠落しています。

音制連が会議への出席を拒否した理由は、ワーキンググループの座長を務めていただいた弁護士が、MPNの顧問弁護士と同一事務所に所属していることが判明したためです。
どれだけ公平公正な議事進行が行われたとしても、座長の立場上、「公正らしさ」に疑問符が付くことは否めませんので、音制連としてはMPNとの主張が激しく対立しているワーキンググループにおける座長としては形式的に相応しくないと判断し、会議への出席を拒否しました。

音制連としては、このような、一部の運営団体に偏向しているのではないかとの疑念を生じさせるようなCPRA運営の改革についても継続して訴えています。

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音制連がワーキンググループの会議への出席を拒否し、それを見かねた「権利者団体会議(CPRAの運営に関与する4団体の代表者で構成される会議)」において調整の話し合いが行われ、商業用レコード二次使用料等での資金分け比率を従来の70対30から80対20に変更することをMPNが譲歩することと引き換えに、当面2022年のサポートミュージシャン(NFA)分配の見直しはMPNの責任において行う、との合意がなされたというのは事実でしょうか。

「商業用レコード二次使用料等での資金分け比率を従来の70対30から80対20に変更することをMPNが譲歩することと引き換えに、当面2022年のサポートミュージシャン(NFA)分配の見直しはMPNの責任において行う、との合意がなされた」というのは事実ですが、こちらも重要なポイントが欠落しています。

2021年2月に行われた権利者団体会議での合意事項は、具体的には以下の通りです。

  • 二次使用料、録音権使用料それぞれの分配資金について、FA分とNFA分を8:2の割合で原資分けをする。

  • NFAの分配方法については、精緻化に向けた改善をMPNの責任において行う。特に、録音回数が多いことを理由に一部のアーティスト※1に偏った分配がなされている現状を是正することをMPNは確約する。

  • FA、NFA共に、分配に関する詳細なデータを権利者4団体で共有し、相互チェックを可能とする。

  • 上記①~③に基づく2021年度の分配結果の検証を音楽関連分配委員会において行い、成果が見られない場合には、新たにワーキンググループを設置し2022年度以降の新たな分配方法の検討を行う。

(CPRAではメインアーティストをフィーチャードアーティスト(Featured Artist=FA)、サポートミュージシャンをノンフィーチャードアーティスト(Non-Featured Artist=NFA)と定義している。)
※1 ここでいうアーティストはサポートミュージシャン(NFA)のことです。

この合意事項から明らかな通り、「2022年のサポートミュージシャン(NFA)分配の見直しはMPNの責任において行う」といった趣旨の合意がなされたことは確かですが、「精緻化への改善」「特に、録音回数が多いことを理由に一部のアーティストに偏った分配がなされている現状を是正すること」が条件となっています。

このような重要な点を伝えずに、あたかも2022年のサポートミュージシャン(NFA)分配の見直しについてはMPNの自由裁量で行うことができると権利者団体会議において認められたかのような主張は、権利者団体会議においても「録音回数が多いことを理由に一部のアーティストに偏った分配がなされている現状」が問題視されていることを隠蔽するものであり、不誠実な対応であると言わざるを得ません。

このように、権利者団体会議においても、

  • 放送使用される約50万曲の楽曲のうち演歌は邦楽の3%程度しかない中で、P-LOG(日報)データによって演歌ジャンルの演奏家が分配上位者に固定化されている実態は異常である。
  • この問題は、長らくブラックボックス化していたことで、CPRAとして問題共有がなされなかったことが既得権益化した要因である。

という認識を元に、「録音回数が多いことを理由に一部のアーティストに偏った分配がなされている現状」が問題視されていたことは明らかです。

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2019年12月、CPRAに対して「みなし分配の見直しが行われないままに放置され、旧態依然たる分配が行われていることはCPRAの責任であり、遺憾である」という趣旨の提言をしたことは事実でしょうか?
また、その提言において、
  • 見直しの中で音制連が、見直しとは関係がない重複分配の導入を求めたこと
  • 関係団体による当事者間協議の呼びかけに応じないことで、見直しの議論を一年近くストップさせたのが音制連であること
に触れていないのはなぜでしょうか?

提言をしたことは事実ですが、①と②に触れていないのは、端的にそのような事実が存在しない、または音制連の認識と全く異なるからです。

①については、音制連が重複分配の主張を行ってないことは、Q1で説明したとおりです。
②についても、議論を行うべき分配委員会の開催を委員長権限でコントロールされ、協議を行うことができず、やむを得ず提言書の提出という方法を取らざるを得なかったというのが音制連の認識です。
当時の分配委員会の委員長であったのはMPNの椎名和夫理事長であり、委員長には委員会における協議事項等の議案を設定し、会議開催を指示することができる権限を持っていたのはまさに分配委員会の委員長に他なりません。

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【データの収集・分配方法について】
音制連は、データが収集できないサポートミュージシャン(NFA)の権利はなかったことにしてもよいと考えているのですか?

音制連はそのような主張はしていません。

データが収集できないことを理由に、精度の低い分配をするのではなく、正確なデータを収集することに注力するべきであるというのが音制連の主張です。

自己申告だけでは不十分で第三者証明を求めることは、「あったかなかったかわからないものについては分配しない。」ということであり、「あったものをなかったことにする。」ということとは全く異なります。
音制連が「データが収集できないサポートミュージシャン(NFA)の権利はなかったことにしてもよい。」という、あたかもサポートミュージシャン(NFA)を軽んじる意見を表明しているかのような記載については、音制連の名誉を著しく毀損するものと考えざるを得ません。

このような、メインアーティスト(FA)とサポートミュージシャン(NFA)の対立を煽るような言説は、多数のサポートミュージシャン(NFA)の権利委任も受けている音制連として許容できないものであると考えています。

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みなし分配で10年間も演歌系の複数名が上位を独占していたとしても、みなし分配はやむなく採用されてきたルールにすぎず、MPNがこだわるいわれもないのではないでしょうか?

「MPNがこだわっているのか」は評価の問題ですので、音制連としては以下の事実を踏まえて、皆さんに判断を委ねたいと考えます。

まず、このような分配は数十年にわたり行われてきたものと思われます。約20年にわたり分配委員会の委員長であったのはMPN椎名和夫理事長であり、委員長と一部のCPRA事務局担当者のみが分配実態を知ることができたという実態があります。
また、分配委員会の委員長は、委員会における協議事項等の議案を設定し、会議開催を指示することができる権限を有しています。

しかしながら、音制連が2019年末頃にこのような分配実態を把握し、問題提起するまで、委員長からこの問題についての改善の提案が出たことは一度もありません。

音制連はこのような事実から、このような分配方法が隠然と行われており、既得権化していると判断せざるを得ませんでした。

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分配方法が見直された2020年度徴収分以降の分配では段階的に縮小され、今後照合率向上に従ってさらに縮小させていくことが既に合意されているというのは事実でしょうか。また、放送におけるジャンル別使用実態を導入することで上位の顔ぶれも大きく変わり、既に偏りは是正されているというのは事実でしょうか。

みなし分配自体が段階的に縮小されていくことについて、合意がなされたことは事実ですが、音制連としては、「既に偏りは是正されている」とは到底言うことはできないと考えています。

少し複雑な話になりますが、このような偏りが是正されたことの根拠として、「放送におけるジャンル別の使用実態を導入することで上位の顔ぶれも大きく変わっている」という趣旨の説明がなされることがあります。
ジャンル別の使用実態が導入されたことは事実であり、具体的には、例えばポップスジャンルであれば37ポイント、演歌ジャンルは6ポイントというように、演歌ジャンルはポップスジャンルに比べて1/6のポイント計算上の制限がかけられることになりました。
このような制限により、一見すると多数回のレコーディングを行う実演家が多い演歌ジャンルと、それに比して放送での使用実績が少ないというアンバランスが是正されるようにも思われ、音制連としても当初は一定の改善が見込まれたという認識でした。
しかし、このような「ジャンル別の使用実態の導入」にあたっては、前述のような制限がかけられた一方、従来のみなし分配で採用されていた「レコーディング参加回数の上限設定(年間600ポイント)」が撤廃されていました。
上限設定の撤廃については、MPNがこの分配方法についての説明を行った第10回分配委員会(2022年1月31日)においては一切説明がなされていませんでした。
上限設定の撤廃により、上限を超えるレコーディング参加ポイントは青天井にカウントされることになり、結果的に「1日に多数の楽曲を収録する演歌系のレコーディングに参加したサポートミュージシャン(NFA)」のレコーディング参加ポイントは飛躍的に増え、本来制限をかけると説明があったジャンルポイントの効果は極めて小さくなっているというのが実態です。
実際に、後に公開された「みなし分配の上位者」には、従来の演歌系サポートミュージシャン(NFA)の名前があがっています。

以上の事実から、音制連としては、「既に偏りは是正されている」とは到底言うことはできないと考えています。

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この数年にわたる分配方法の見直しに伴い、P-LOG(日報)データの人数はみなし分配データだけでも毎年1,000〜2,000人単位で増加しているそうですが、P-LOG(日報)データの人数に増減がほとんどないというのは事実に反するのではないでしょうか。

音制連が問題視しているのは、透明性のあるデータによる透明性のある放送使用実績分配における分配対象者数が増えていないという実態についてです。

MPNが主張するP-LOG(日報)データのみなし分配による人数の増加は、以下の通り、使用するデータの対象年度を拡張した結果に過ぎません。

  • 2000年~2019年分配/1998~2017年度徴収分 過去3年分
  • 2020年分配/2018年度徴収分 過去5年分
  • 2021年分配/2019年度徴収分 過去10年分
  • 2022年分配~/2020年度徴収分~ 過去データ全て

仮に、P-LOG(日報)データのみなし分配による人数が増えていたとしても、P-LOG(日報)データは使用データの提供元や分配ポイントの算出作業など、全てMPN内で行われていることに加え、情報開示が十分になされていない不透明なものです。
みなし分配自体が段階的に縮小されていくことについて合意がなされたことから明らかなとおり、P-LOG(日報)データは分配精緻化とは相容れないものであるというのが音制連の認識です。

なお、P-LOG(日報)データをきちんと提出されているサポートミュージシャン(NFA)の方にとっては、「自分達が嘘をついていると言われているようだ」とお感じになるかもしれません。当然、音制連としては、そのようなサポートミュージシャン(NFA)が多数いるなどと主張しているわけではありません。

メインアーティスト(FA)やサポートミュージシャン(NFA)に法律上認められた権利である放送二次使用料の分配については、今後より一層の精緻化が求められるべきであるというのが音制連の認識で、その点についてはほぼ異論はありません。
そのような状況の中で、音制連は、データの詳細が一向に開示されず、その正確性や有用性を検証することすらできないデータについて、「詳細はわかりませんけど全部信用します。」といった対応をすることはできません。
これは、P-LOG(日報)データを提出しているサポートミュージシャン(NFA)の方の問題ではなく、P-LOG(日報)データの検証を不可能にしているMPNに起因する問題であるというのが音制連の認識です。音制連としては、P-LOG(日報)データが放送使用実績をほぼ正確に反映しているという具体的なエビデンスが確認できればP-LOG(日報)データを生かすこともあり得るとは考えますが、「レコード制作管理表」の真正性担保のプロセスと大きな乖離があることについては何度もご説明したとおりです。

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MPNは、音制連の求めに応じて、さらに詳細なデータを2022年9月21日付で開示しており、ブラックボックスなど存在しないのではないでしょうか。

MPNは詳細なデータを開示していないため、権利者団体会議の合意に基づく検証作業が進まず、分配が是正されているかどうかの評価に至らなかった、というのが事実です。

Q12のとおり、2021年2月に行われた権利者団体会議において、

  • FA、NFA共に、分配に関する詳細なデータを権利者4団体で共有し、相互チェックを可能とする。
  • 上記①~③に基づく2021年度の分配結果の検証を音楽関連分配委員会において行い、成果が見られない場合には、新たにワーキンググループを設置し2022年度以降の新たな分配方法の検討を行う。

と合意されたとおり、音制連は合意に従って分配検証を行なうべく、2022年6月20日、2022年9月2日にCPRA事務局を通じてMPNに対して検証実施の18件の情報開示の要望を提出しました。

2022年9月21日、2022年9月28日に順次開示された検証に必要な情報は7件の検証事項に留まり、残る11件の検証事項については、必要となる情報の提供がありませんでした。
したがって、権利者団体会議 合意事項④における分配成果の検証を行うことができないという結果になりました。

【検証要望事項のうち、必要な情報が開示された事項】

  • 放送使用された約50万曲において、レコード制作管理表やP-LOG(日報)データなどのいずれのデータと照合ができたか網羅性を検証
  • 分配対象となったメインアーティスト(FA)、サポートミュージシャン(NFA)の1人あたりの受領額を検証
  • 放送実績やみなし分配において、元となるデータ(レコード制作管理表データ、P-LOG(日報)データ等)ごとに、分配対象となる団体に偏りがないか検証
  • CPRAが保有するクレジットデータとP-LOG(日報)データを比較し、正確性や網羅性を検証
  • 参加者の一部が判明しているレコード制作管理表データの詳細をもとに網羅性を検証
  • CPRA保有のクレジットデータの全体人数や曲数をもとに、今後の利活用方法を検証
  • 貸レコード使用料分配実績をもとにしたみなし分配において、今回対象とした過去5年分とそれ以前のデータをもとに使用可能なデータ数を検証

【検証要望事項のうち、必要な情報が開示されなかった事項】

  • レコード制作管理表とP-LOG(日報)データを比較し、正確性や網羅性を検証
  • 参加者の一部が判明しているレコード制作管理表とP-LOG(日報)データを比較し、正確性や網羅性を検証
  • 放送使用実績分配で使用したP-LOG(日報)データの加工前の元情報をもとに、正確性や網羅性を検証
  • P-LOG(日報)データによるみなし分配において、各楽曲ジャンルの詳細データをもとに、ジャンルポイントの効果を検証
  • P-LOG(日報)データ及び貸レコード使用料分配実績をもとにしたみなし分配の重複曲を基準にジャンルポイントの効果を検証
  • P-LOG(日報)データの全体の収集曲数・件数をもとに網羅性や偏りがないかを検証
  • 自己申告における提出曲数や提出される楽曲ジャンルに偏りがないかを検証
  • コーディネーター(インペグ屋)報告における提出曲数や提出される楽曲ジャンルに偏りがないかを検証
  • 自己申告者名をもとに、自己申告されている人に偏りがないかを検証
  • コーディネーター(インペグ屋)ごとの提出状況・件数を検証
  • 過去5年間における自己申告、コーディネーター(インペグ屋)の申告に関して、増減がどれほどあるかを検証

なお、この状況を受けて開催された第3回分配委員会(2022年10月19日)では、MPNによる分配実施後のデータ開示がなされないため、権利者団体会議の合意に基づく検証作業が進まず、分配が是正されているかどうかの評価に至らないとの意見がMPN以外の団体(音制連を含む)の参加委員からあがり、結論に達しました。その上で、成果の有無について取りまとめるに至らなかった旨を権利者団体会議に報告することが確認されました。

この報告を受けた第3回権利者団体会議(2022年12月12日)で協議したところ、検証ができない従来のMPN考案の分配方法を見直し、前年の分配方法を改めて採用することについて確認がなされました。3団体(音制連、音事協、PRE)はこれに賛成し、MPNのみがこれに反対したことにより、前年の分配方法に戻すという案は採用されず、このままでは放送二次使用料の分配が遅延しかねないという事態に陥りました。

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放送使用楽曲と照合できるデータは年々増加しているものの、照合率は未だ50%に届いていないとのことです。この状態でヒットチャート楽曲だけで分配を行うことは、それもまた放送使用実態と乖離した不公平な分配を生む結果となるのではないでしょうか。

我々は、「放送使用実態と乖離した不公平な分配」とは以下のようなものと考えています。

まず「参加回数によるみなし分配」が問題視されている理由は、実演が収録された楽曲が放送に使われたことに対して支払われるべき対価を、実際には放送されていない楽曲の参加者が受け取れてしまうということにあります。
CPRAは実演家から権利の委任を受けて、使用料を放送事業者等から受領していますが、分配のために必要な放送使用実績データも受領しています。
それにもかかわらず、放送使用の有無によらず、たくさんのレコーディングに参加したとするサポートミュージシャン(NFA)がその使用料を手厚く受領できることこそが、「放送使用実態と乖離した不公平な分配」であると言えます。

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そもそも数多く放送使用される楽曲は必ずしも最新のヒット曲ばかりとは限らず、往年の名曲やサウンドトラックなど多岐にわたるため、一般的に認知度が高いサポートミュージシャン(NFA)が、分配額の上位に名を連ねるとは言い切れないのではないでしょうか。また、この世には数多くの音楽ジャンルが存在し、それぞれに活躍するサポートミュージシャン(NFA)は異なります。著名かどうかもまた、それぞれの主観によって異なるのではないでしょうか。

そもそも音制連は著名なサポートミュージシャン(NFA)が「みなし分配」による分配額上位にいないことを問題視しているわけではありません。

「みなし分配」は、放送されたか、されていないかは関係がなく、単に録音回数が多いことが分配額に大きく影響します。音制連は、みなし分配により、放送使用実績とかけ離れた分配が2023年になっても行なわれることを問題視しているのです。

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