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independence-d 2006
CLUBMUSIC DAY
STREETROCK DAY
SHOCKROCK DAY
3月3日、新木場・STUDIO COASTで行われた「independence-D 2006」1日目。
昨年の同イベントは、出演者のジャンルがヒップホップとR&Bのみだったが、「CLUB MUSIC DAY」と名付けられた今回はそこにブレイクビーツ/ハウス/テクノが加わった上、海外からの特別ゲストも招聘。ダンサーやDJを含めると30組以上のアーティストがパフォーマンスを披露した。
TEXT :猪又孝
23時近く。この日最初のアクトは、昨年も出演していたHIP HOPグループ、D-CLAN。一発目らしく、威勢のいい煽り文句を発しながらステージに登場し、エッジの効いたアグレッシブなトラックと雄毅な唱法で客席を徐々に徐々に温めていった。

続いて登場は、MC LARSというアメリカ人ラッパー。「POST PUNK LAPTOP RAP」を自認する彼のステージは、DJ代わりに一台のラップトップ・コンピュータが中央にあるというユニークなもの。彼は自身の作品のプロモーションもインターネットのファイル共有を積極的に活用しているそうで、そういう次世代型のインディペンデント・スタイルもこのイベントの主旨にそぐうものだ。
名古屋から登場した2MC+1DJのラップ・グループ、WRECK SQUADを挟んで、ステージに現れたのはNIKKA。今回のイベントでは世界中のアマチュア・アーティストをサポートする「DIESEL-U-MUSIC」というオーディションからのコンペ枠が用意されており、その「DIESEL-U-MUSIC 2005」優勝者が、このNIKKAだった。香港生まれの日本育ちで大学時代はニューヨークで過ごしたという彼は、広東語、日本語、英語を武器にするトライリンガル・ラッパー。ちょいラガマフィン・テイストの入った早口ラップとソウルフルでメロディアスな歌が交互に繰り出されるフロウは興味深いものだった。
次に登場はFUNKYSとHUE楽LISTという2組のダンス・チーム。躍動感あるヒップホップ・ダンスで観客の注目を浴びていた。なお、今回のイベントではフロアの中央に大きな円形ステージが組まれており、出演ダンサーはそこで踊るという仕組み。そうすることでメイン・ステージのセット・チェンジが円滑に進むため、観る者を飽きさせないという趣向が凝らされていたのもうれしい。
そろそろイベントは中盤戦に突入。大阪発の2MCラップ・ユニット、WOLF PACKがオモロイしゃべくりで客席を沸かせば、次に登場のR&Bシンガー、JAY'EDはスウィートなスロウ・ジャムで客席で酔わす。その後は、HYENA+JOYSTICK、LGY、GIPPER、PHOBIA OF THUG、BIG RON+GHETTO INCというヒップホップ勢が登場。ハーコーながらもどこか哀愁漂うメッセージでオーディエンスの心を掴んでいた名古屋発のPHOBIA OF THUGを筆頭に、いずれも西海岸ラップに影響を受けたサウンドをパフォーマンス。特にBIG RONの激甘な歌声とGHETTO INCのタフなメッセージが印象に残った。
その後、イベントは後半戦へ。今度はハウス?テクノ?ブレイクビーツのアーティストが登場。トップバッターはDJ DRAGONらによるユニットBLACK JAXX。生楽器によるプレイが聴けたり、いい意味で大衆性があるグループのため、客席はいちばんの盛り上がりを見せた。続くGEE (GTS)がファンキーなハウスを30分ほどスピンした後は、海外スペシャル・ゲストのhyper (from U.K.)が登場。生演奏によるパンキッシュなブレイクビーツでアゲアゲに攻める。そして、イベントのトリを努めるのは、もう1組の海外ゲスト、Futureshock(from U.K.)。グルーヴィーなテックハウスから始まり、最後はミニマルなテクノでチルアウトさせるという見事な流れを披露していた。
また、この日はバー・カウンター横のROSE ROOMでも、DJ PMX(DS455)らがヒップホップ/R&BをDJプレイ。特にそちらのトリを務めたDJ HASEBEのプレイは、メインフロアを凌ぐ人気を集めていた。
この日のイベントでは、「CLUB MUSIC DAY」という名前ながらレゲエ・アーティストがひとりも出演していなかったことや、フロアに集まる観客を見ていると、良くも悪くもヒップホップとハウスという2つのジャンルにまだ壁が感じられたところは残念だったものの、活気に満ちた若手・新進アーティストをここまでいっぺんに見られるイベントは他になかなかないのも事実。次回も刺激的で楽しいイベントになるように期待したい。
TEXT :猪又孝